【タロット逆位置リーディング講座5】④皇帝 ~ コントロールの反転、支配と不安の関係についてのお話をしていきます。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
皇帝
皇帝…というその響きから、「偉い人」を想像する方も多いことでしょう。
英語で言えば、Emperor(エンペラー)。
まさに、強い人、手が届かないくらい高い立場にある人…
ですが、逆位置になるとちょっと事情が変わってきます。
さっそく詳しく見ていきましょう!
見掛け倒しの強さ
正位置の皇帝は「安定・秩序・支配」の象徴。
ところがカードが逆さまになると、その安定感がぐらりと揺れます。
例えるなら、バッチリ決めたスーツ姿でプレゼンに挑むのに、実は内心ガクブルしている…そんな感じ。
不安だからこそ、表面だけは強く装っている。武装して、強く見せている…そんなイメージ。
皇帝逆位置は「コントロールしようとするほど不安が露呈する」ことを示しています。
仕事や恋愛、人間関係などで「自分が主導権を握っていないと不安」という心理が働くと、相手にも息苦しさを与えがち。
たとえばLINEの既読がすぐ付かないだけで不安→何度も送ってしまう、とか。
自分が築き上げた「城」を守りたいという気持ちが強すぎると、かえってその城を壊すような行動してしまうことがあるのです。
皇帝の逆位置は、そんな、コントロールの裏に潜む不安をやさしく暴くカードです
また、「相手を操るよりも、自分の不安に目を向けてみて」とカードは伝えているのでしょう。
支配欲が空回りした末路は…
皇帝の逆位置には「支配欲」というちょっと怖いイメージのキーワードもあります。
その奥にあるのは「置いていかれるのが怖い」「失敗が怖い」という、実はすごく人間らしい気持ち。
たとえば、グループ旅行で仕切りたがる人っていますよね。
あれも実は「みんなが困らないように」「自分の居場所を失いたくない」という優しさ+不安の複合体。
そしてその「仕切り」は時に「支配」となって大切な人々を苦しめることになります。
皇帝逆位置が表しているのは、まさしくこの「優しいけど不安なリーダー」像。
「自分が指揮しなきゃ」と気負いすぎたとき、このカードは「手放す練習をしよう」と教えてくれるのです。
リモコンを相手に渡すように、ほんの少しずつコントロールを緩めることで、不安が和らぎ、逆に信頼関係は深まっていくでしょう。
「支配」から「安心」へのシフト
逆位置の皇帝を引いた時に試してほしいのは、「安心できる小さな習慣」を作ること。
たとえばスマホの通知を一時的にオフにする、予定を詰め込みすぎない、相手に「好きにしていいよ」と言ってみる…これだけで一気に心がラクになります。
面白いことに、皇帝逆位置が示す「手放し」は「放置」ではなく「信頼」。
相手を信じて任せることができるかどうか?を問われているのです。
それは、自分を信じる勇気にも繋がっているかもしれませんね。
また恋愛でこのカードが出た場合は「相手を管理するのではなく、共に冒険する」スタンスで向き合って欲しいというカードからのアドバイスです。
仕事なら「徹底的に管理するマネジメントよりも、任せて育てる」ことの大切さを教えてくれるでしょう。
つまり、皇帝逆位置は「支配者」「独裁者」から「安心を作る人」への進化をサポートするカードとも言えます。
まとめ~支配したければ、一旦手放して~
皇帝逆位置は「コントロールしたい」という気持ちの裏側に「不安」があることを教えてくれます。
これは決して弱点ではなく、人としての可愛げでもありますよね。
ちょっと人間くさいところがあるからこそ、人として魅力を感じさせますし、部下や後輩にも慕われるリーダーとなるでしょう。
カードは「完璧に管理しなくても、あなたは大丈夫だよ」と囁きます。
ちょっとした「手放し」を繰り返すことで、むしろ信頼が深まり、人間関係は今よりラクに回るようになるでしょう。
支配したければ、むしろ手放す勇気が必要。
一見逆説的なこの「気づき」は、社会人として生き抜いていくための「ヒント」を授けてくれるでしょう。